第4章 聖夜の過去
・・・お母さんに会いたい・・・今私はふと思った。あの優しいお母さんが亡くなったことが今でも信じられない。
私がため息をつくと、聖夜くんが私のそばに来た。
「どうしたんだ。ため息ついて。オレが話を聞いてやるよ。」
聖夜くんはクールな眼差しとは反面、すごく優しいんだ。
私は聖夜くんにお母さんのことを話した。すると聖夜くんが少し驚いた表情をしてこう言った。
「実はオレも父子家庭だったんだ。」
えっ・・・そうだったんだ。知らなかった・・・
「その話・・・聞いてもいい?」
私が聞くと聖夜くんはコクんとうなずき、話を始めた。