第13章 pray
「その人今フリー?」
「はい、そうですね」
「告白するには問題ないな、智くんならそんなに可能性低くないよね?」
「ん~、傍からみたらお似合いなんですけどねぇ…お互いのことよくわかりあってますし」
なんかスッキリしない言い方だな。
「不安要素があるの?何か問題点でも?」
『ん~』と首を捻るニノ。
「なに?教えてよ、ここまで話したんだからいいじゃん…相手の名前教えてとかじゃないんだし」
「…男性なんです」
「…へ?」
「だから、大野さんの好きな相手も男性なんですよ…そこも俺と同じなんです」
「う、そ…」
吃驚した…俺、ずっと相手は女性だと思ってたから…だから躊躇ってるんだ…確かに、もし告白してフラれたらお互い半端ないダメージ食らうかも…下手すりゃこの先の人生相手の人に冷たい目で見られ続けることになる。
「翔さん、大丈夫ですか?」
「あ、うん…大丈夫…ちょっと吃驚したけど」
「翔さんはどう思います?大野さんの好きな人が男の人ってこと」
「吃驚はしたけど、それでも応援はしてあげたい…だってニノと相葉くんのこともはじめて知った時はスッゴい驚いたけど、今は幸せそうなふたり見てると俺も幸せだもん」
ニノはホッと息を吐くと緊張していたのか体から力を抜いた。
「そう言ってくれるとは思ってましたけどね…もしこれで翔さんが大野さんのこと軽蔑するとか言ったら俺どうしようかと思いました」
「大丈夫だよ、智くんは智くんだもん…そんなことで軽蔑なんかしないよ…それに同性同士の恋人を否定する気なんて全くないし…」
「そうですか…世の中の皆さんがそういう思いでいてくれると大野さんの想いが叶う可能性も上がりますよ」
「そうだね…相手の人が智くんの魅力に気が付いてくれればいいな」
「翔さんがその人にプレゼンしてみては?『人間大野智』を」
「あ、それいいね…俺メッチャお薦め出来る自信ある」
「でしたら可能性100パーですね」
ニノが嬉しそうに微笑んだ。