第2章 仕事の後のXmas night。
「ねえ、梢?25日、デートしよう?」
ストレートな物言いのリエーフくん。
『いいよ。どこに行くの?』
聞けばにかり、笑って唇に人差し指を当てる。
「ひみつー!当日まで楽しみに待ってて?」
楽しそうに話すリエーフくんの後ろから降ってきたのは拳。
声にならない声をあげてしゃがみこんだリエーフくんの後ろに立っていたのはにこやかに笑う黒尾さん。
「なあリエーフ、今何時だ?」
「……9時過ぎました…」
「そうだなぁ。で、お前は何してるんだ?」
「…梢をデートに誘ってました。」
珍しく般若を背負う黒尾さんに引きずられて席に戻っていくリエーフくん。
…まあ、私は仕事しながら話聞いてたしセーフ…だよね?
なんて考えてたら、黒尾さんにチョップをかまされる。
『いっ…』
「お前も仕事しながらだからってリエーフ相手にしてんじゃねえよ。」
『…はーい。』
黒尾さんのお小言を聞き流しながら私はパソコンの画面を見つめる。
仕事をしながら考えるのは25日のデートのことばかりだった。