第2章 仕事の後のXmas night。
みんながいなくなったロッカーで1人、鏡を見る。
おしゃれなディナーに合うように、また、ケーキバイキングでいっぱい食べても大丈夫なように、今日は肩から袖、そして胸元がレースになったネイビーのAラインワンピースを細身のベルトを使って切り替えにみせてみた。
あとは丈の短めのアッシュブルーのカーディガン。
靴はワンピースに合わせてネイビーのリボン付きのパンプス。
ベージュのパンティストッキングは寒さ対策。
簡単アレンジで髪の毛をまとめればお出かけ仕様。
いつものトレンチコートを羽織り、もう一度鏡を確認。
今日の着替えは、次仕事に来る時に持って帰るためにひとつにまとめ、準備はOK。
待ち合わせの駅前まで急げば、スーツ姿の月島くんが壁にもたれて時計を見ている。
『遅くなってごめんね?』
そう後ろから声をかければ、月島くんはすぐに後ろにいる私のほうを振り向いた。
「遅い。何して…」
私を見て軽く3秒は凝視。
ふいっと目をそらすと「こっち…」と小さくつぶやき私の手を引く。
すこし早いスピードで歩くから、足がもつれて月島くんの背中に突っ込んだ。
鼻…痛い…
『月…島く「どうして就業前と服装違うの。」
月島くんは私のほうを見ない。
『だって…クリスマス…だから。』
どうしよう。
私、浮かれちゃってるのかな。
”彼氏”とはじめて過ごすイベントだから、少しでも可愛く見られたい。
格好良い月島くんに釣り合うようになりたい。
そう思っちゃダメだったのかな…