第24章 二つ島~治療~ ★
目の前で小さく、小さく口を開けていく沙羅。
奥手で、恐らく男を知らない沙羅には精一杯の反応だろう。
その下唇の近くに微かに見え隠れする舌を見た瞬間、
マルコは自身の体をぞくりと欲望が走ったのを自覚した。
「っ・・・目ぇ・・・閉じろよい」
まずい。
マルコの頭が警鐘を鳴らす。
このまま唇を重ねたらまずい。
分かってはいるが止められなかった。
瑠璃色が視界から消えた瞬間、マルコは唇をよせた。
「っん・・・」
重ねた瞬間は優しく、だが次第に深く激しくなっていく行為。
反射的に逃げようとする沙羅の舌を何度も絡め取り、少しずつ少しずつ浸食していく。
「ッフ・・・?!ッっ・・・」
マルコの舌が歯列をなぞる。
そのまま口内を味わうように上顎に舌を這わせ、今度は導くように沙羅の舌に絡めた。
始めは舌の先端で軽く突き、それに震える沙羅の舌を掬う。
次いで掬い上げたその裏側を、弄るようになめ上げた。
「っ?!」
感じたことのない感覚に、微かに体をふるりと震わせた沙羅の舌が奥に逃げようとする。
「ニゲルなよい」
マルコは舌を絡ませたまま、奥に逃げようとする沙羅の舌を制する。
まるで体を重ねるように、マルコの舌が沙羅の舌に重ねられた。
そうして、じわりじわりと沙羅の快楽を引き出していくマルコ。
次第に震えていた沙羅の手が、何かに耐えるように、きゅっとマルコの腕を握り出す。
それに比例するように沙羅の口からくぐもったような甘い音が時々漏れ出る。
「っん・・・ンッ・・・ッぁ・・・」
互いの唾液すらも分け合うように、暫く重ね合わせられた深い口づけ。
マルコの舌に翻弄され、体に力が入らなくなっていく沙羅。
「・・・」
マルコは細い目を僅かに開き、己との行為に酔い始めた沙羅の表情を堪能する。
「ッ・・・ンッっ・・・」
されるがままの沙羅の体を支えるマルコの手がじわりじわりと動き出す。
パレオ姿の沙羅は、下着姿に近い。
マルコの体と直に触れ合う、滑らかで柔らかい肌。
目にも体にも伝わる曲線。
その状況で自身を御すにはマルコはまだ若かった。
そろりと柔らかい膨らみを覆う白い布に手を這わせ、ゆるゆると弄った。