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海を想う、海を愛する。【ONE PIECE】

第23章 二つ島~危機~


白ひげの言いたい事はわかっている。
娘は、女は肉体的に男よりも弱い。
それは生物学的に変えられない事実だ。
だが、だからといって真綿に包み、蝶よ花よと愛でてるわけではない。
多くはないが娘が望めば、戦闘員として扱っているし、非戦闘員として手腕を振るう逞しい娘もいる。
ただ、女である娘達を弱いというだけで、不当な扱いをしないように、また受けないように白ひげは特別だと言ったのだ。
そんな特別な娘、沙羅を攻撃したのが白ひげの逆鱗に触れたのだ。
そして、もう一つ。
ゲンパクからもたらされた厳しい言葉。

後1cm打ち所が悪ければ、死んでいた。
沙羅の背中に刺さっていた鋭い金属片は、心臓に達する長さだった。幸い骨に阻まれて事なきを得たと。
いくら強い力を持っていても、体は女だと。
男達のように鋼のような筋肉があるわけではない。
体を直接攻撃されれば、簡単に傷つく。
一歩間違えば、呆気なく命をおとすと。

マルコを含め、その場に居合わせた数名の隊長達もゲンパクに改めて突きつけられた事実に、思いを新たにしたのだった。
「おらぁ、ハレム島の時に腹ぁ決めてる」
ナミュールが頷く。
「今まではおれ達だけの話だ、が」
ブレンハイムがごくりと唾を飲んだ。
「ここらで宣戦布告と行こうじゃねぇか」
クリエルが不敵に笑い、キングデューが白ひげの部屋の扉を開け放った。
「全員注目」
ハルタがゾッとするほど邪悪な笑みを浮かべて、声を上げた。
「なぁ、おれの家族に手ぇ出した馬鹿野郎は誰の傘下だぁ?」
「悪魔王、ゾイド」
何事かと集まる仲間達に聞こえるように、アトモスが声を大にした。
既に悪魔王と対立していることを知っている者、
知らなかった者、
それぞれがこれから白ひげが何を言うかと身構えた。
「聞こえたか?お前ぇら」
「あぁ、確かに、悪魔王ゾイドと聞こえた」
スピード・ジルがその名を繰り返す。
「おれはな、家族に手ェ出す奴らは許さねぇ」
視線のあったフォッサが席を立ち、隊長達が次々に席を立ち終えれば、不気味な程にしん・・・と空気が張り詰めた。
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