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【イケメン戦国】燃ゆる華恋の乱

第6章 幸せな我儘 〜一夜限りの恋人よ〜 / 豊臣秀吉



頭が真っ白になって考えられない。
そう思ったら、身体の方が先に動いていた。


「俺が直接信長様に話をつける。 待ってろ」


その言葉だけ絞り出すと、秀吉は回れ右をして襖に手を掛けた。

しかし。



「待って!」
「!」



くんっと、着物の裾を引っ張られる感覚。
見ると、舞が裾を握りしめていた。



「違うの、秀吉さん」





舞は、今にも泣き出しそうな顔をしていた。






「信長様を責めないで。 信長様は全てを承知で…命令と言う形で送り出してくれただけなの」
「……どういう、事だ」




全くもって話が見えない。

秀吉は舞に向き直ると、あぐらをかいて座る。
それを見届けると、舞はぽつり、ぽつりと話し始めた。




舞の話をまとめると……

安土内では、信長様と舞は恋仲として知られているが、実はそうでは無く。
信長様は舞を寵愛していたが、舞は他に想い人がいて……

最初は信長様も舞を振り向かせようと、何度も何度も舞を無理やり抱いたらしい。

でも、舞は想い人を忘れる事は出来ず、信長様を愛することは出来なかったのだと。


少し遠い目をしながら、舞は語った。



「辛かったんだな、お前……」



そんな言葉しか出なかった。
いくら天下の信長様が相手とは言え、好いてもいない男に抱かれるのは、女にとってどれ程苦痛な事か。


秀吉が舞の頭をぽんぽんと撫でると、舞は気持ち良さそうに、目を細めた。



しかし、本題はここからだ。
何故それが、舞を自分の元へ夜伽に送り出す、と言う話になったのか……


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