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幸せになりたい!『刀剣乱舞』

第3章 第三章


「素直に、ですか…?」
「あぁ、本丸は確かに心配だがそれ以上にあんたが心配なんだよ…頑張る事はいい事だ。でもな…分からない所があるなら俺達に聞け。一人で抱え込まず先ずは相談しろ」
「………」
「あんたを俺が。いや…ここにいる全ての刀剣男士が主を支える。それにな…ここに来て半日のあんたよりも俺の方が実践とか色々分かってるんだよ、そんなに思い詰めた所で上手くいく訳ねぇって…」

まぁ先ずはゆっくり気長にやろうや…そう砕けた口調で笑い酒壺の蓋を取った日本号さんはぐびぐびと酒を飲み干す。いい飲みっぷりに瞬きさせて呆けたように見上げてしまった私に日本号さんは吹き出すように笑った。

「折角主の祝杯だ、辛気臭せぇのはなしにしようぜ?酒は飲め飲め飲むならばぁっとぉ…」
「えっと、私は余り強くないんですけど…」
「あぁ…酒は好きに飲めばいいんだよ、他人に言われて飲むもんじゃねぇ」
「まぁ、確かに…」

妙な説得力のある言葉に頷く私へ、日本号さんはニヤリと笑ったのを見逃せなかった。とても嫌な予感がする、と内心大きくびく付いた。私を逃がさないように肩を抱いた彼は大笑いすれば私を半分無理矢理歩かせて執務室ではない所へ連れ去ろうとした。一体どこへ向かうつもりなのだろうか。

「あの…私は一体どこへ連れて行かれるのでしょうか?」
「なーに、あんたは飲まなくてもいいさ…ただ主に酌をされた酒はまた美味だと思ってな!」
「!?いや、私が行くときっとご迷惑になりますし!」
「どうしてそう思う。口では言わねぇが皆あんたが来てくれて結構嬉しかったりするんだぜ?」

そんな事を…言って貰えるとは思わなかった。初めてここに来てあれだけ殺気立つ視線を向けられたというのに、何の取り柄もない審神者として全く約立たずの私が来て嬉しいとそう少なからず思ってくれていた事がどうしようもなく嬉しかったのだ。今日一日の間に驚く事が多くて笑ってしまう。

「日本号さん…私はやはり自分一人で頑張りたいと思います」
「あのな…」
「だから、一人前の審神者になるまでどうか気長に助けて下さい!お願いします!」

私は肩に抱かれるまま軽く頭を下げた。一人前の審神者というのがどんな存在なのかは分からないが、私がこの本丸と刀剣男士を支えられるくらいの力と知識をつけたい。その事を伝えれば、日本号さんは大笑いして見え私の頭を乱暴に撫でてくれた。
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