第6章 赤い人
その様子を見て少し安心したエースはアリスの唇にそっと自身のものを重ねた。
「っ///何やってんだ俺…」
しばらく、エースはアリスの顔を見ることができなかなった。
コンコンと何回も扉をたたく音がしてエースは起きた。
どうやらあの後アリスを抱いたまま寝てしまっていたよう
だ。
一向に病むことがないノックに苛立ちベッドから出て勢いよく
ドアを開ける。
「なんだよ!うるせーな。アリスが起きちまうだろ⁉」
ドアを開けた先は鬼のような形相をしたマルコが立っていた。
その後ろにはサッチがニタニタして立っていた。
「お前はアリスを起こしにいったんじゃなかったのかよい?」
普段よりもいくらか低い声でしゃべるマルコにエースの背中には何か冷たいものがはしる。
「や…、そうなんだけどさ、アリスが二日酔いでしんどそうだったから寝るまで一緒に居るつもりだったんだ」
マルコはエースから視線をずらしいまだにベッドの中にいるアリスの様子を見てそっとため息をつく。
「ま、昨日あれだけ酔っぱらっていたんだから仕方ねぇよい。サッチ、お前はナースのところ言って薬貰ってこい」
「ああ、そうだな。ついでに将かにいいものを作ってくるよ」
「頼んだよい」
サッチはパタパタとナースのところへ行く。
マルコはエースに今日一日はアリスのそばにいるようにと声をかけてから仕事に戻っていった。
それからしばらくするとアリスが目を覚ました。
さっきよりは随分顔色もよくなっていた。
「あれ…?エース?どうしてここに??」
自分の置かれている状況があんまり理解できていないようだった。
「あれ?私いつの間に部屋に戻ってきていたんでしょう?シャンクスはもう帰っちゃったんですか?」
どうやら昨日の夜のことはすかっり頭の中から消え去っているようだ。
「昨日のアリスはすごかったぞ。よぱらってふにゃふにゃしてたもんな」
そこでなんとなく思い出したのかアリスの顔はボッと顔を赤くしてベッドの中に潜り込んだ。
その姿にきゅんとしたエースは布団の上からアリスを抱きしめた。