第1章 12ヶ月の物語
当日…
楽屋で会った丸に
俺は笑顔で声をかけた………
"今日の俺との約束
ちゃんとおぼえてるよな…?"
"うん…ちゃんと予定は開けてるけど
何があるんか…そろそろ教えてよ(笑)?"
そう言って楽しそうに首をかしげる丸に
俺は…………
"今日はあんを丸に返す日や……(笑)"
そう笑って言うた…………
でもそんな俺とは逆に
丸は真剣な顔をして
俺をまっすぐに見つめてくる………
"何山奥の狸みたいな顔してんの(笑)?
お前…かなと別れたんやろ……?
じゃあもう何も…
遠慮することないやんか………
あんが俺とおった一年……
あんの指になずっとお前がおった…
あのオレンジの指輪…
お前があんに渡したんやろ…?
頑張ってみたけど…
どうやっても俺には
はずされへんかったわ…………
やからそろそろ潔く
敗けを認めんとな………(笑)"
そう言った俺を見る丸は
今にも泣き出しそうな顔をしてて
"すばるくんは
それでもええの……………?"
なんて聞いてくる丸に
"俺がええかどうかじゃなく
あんな幸せやったら
それでええ……………(笑)"
嘘のない
その言葉を伝えた……………