第26章 交差する想い
連絡事項に変更があった時の為に、とりあえずって形で紡もグループラインに入れたんだよな。
「スガ、手伝ってくれ。俺は清水と1年に連絡回すから、スガは2年の方を頼むよ。文面はいまそっちに送るから、そのまま使っていいから」
菅「わかった」
すぐに文面を作り、スガのスマホに送信する。
俺はそれを影山、日向、月島、山口へと送り返事を待った。
月島以外の3人からはすぐに返事が来る。
山口の返事には了解した事の他にメッセージが付いていた。
“ ツッキーは学校にいる時は電源落としてるので、直接オレが伝えました。いま一緒にお昼食べてるので。だからツッキーも了解です ”
月島、電源ごと切ってるとか珍しいヤツだな。
何かの時の為に覚えておこう。
菅「2年は全員返信来たよ。大地の方は?」
「こっちも大丈夫だ。あとは放課後にみんなからメモを受け取って武田先生に預ければいい」
俺の言葉にスガも頷いて、2人で弁当を食べ始めた。
昨日の帰り際、寂しそうな顔してたしな。
高校生とはいっても、女の子だし。
急にこんな事になって心細いだろうし。
もし俺が同じ立場なら・・・誰かと言葉を交わしたくなると思うしな。
菅「あのさ?メモ書きのメッセージ集めるのはいいんだけど、もしかして大地その後の事考えてなくね?」
「その後の事?って?」
俺がそう返すと、スガはやっぱり・・・とため息を吐いた。
菅「メッセージ集めて、どうやって渡すの?ビニール袋に入れて・・・とか考えてないよね?相手は女の子なんだよ?わかってる?」
「・・・そこまで思い付いてなかった」
菅「大地の事だから、多分そうかとは思ってたけど・・・あ!じゃあさ、この件は清水に頼もうよ?オレ達が考えるより、ずっといいだろ?」
「そうしよう。清水に連絡入れとく」
箸を置き、清水にそれを伝えると厳しい答えが帰ってきた。
“ 急な案件だったし、澤村そこまで考えてないと思っていま用意してる。放課後には間に合わせるから。外に買いに出れないから、手芸部から材料分けて貰った。手芸部にお礼だけは言ってね ”
・・・・・・はい、清水サマ。
返信された画面をスガに向けると、さすが清水・・・と呟いていた。
俺もメッセージを考えないとな。
箸を持ちながら、何を書こうか?と、考えながら弁当の続きを食べ始めた。