第31章 ステップアップへのチャンス

｢｢｢｢ 一緒に風呂だってぇ？！ ｣｣｣｣

···遅かった。

バッチリみんなに聞かれた。

菅｢紡ちゃんと···｣

澤｢あの烏養監督が···｣

旭｢一緒に風呂···？｣

いや、もうその辺はほじくり返さないで下さい。

黒｢お嬢ちゃん、その歳でまだ爺さんと風呂入ってんのか？｣

｢違います！小さい頃の話ですから！｣

影｢小せぇのは今もだろ｣

影山！！

黒｢イイじゃん？小さい方がカワイイだろ、な？やっくん？｣

夜｢なぜそこでオレに振る···｣

研｢クロ。やっくんが気にしてること言ったら、ダメ｣

夜｢研磨～！｣

あぁもう、収拾つかなくなってるよ！

はぁ···とため息を吐いて、繋心を見れば。

いつの間にかに下に降りてきてる桜太にぃ達と話をしてる。

···降りて来なくて良かったのに。

桜｢紡、ちょっとおいで？｣

私が見ていた事に気が付いた桜太にぃが、小さく手招きをして私を呼んだ。

『なに？』

桜｢ちょっと見てたけど、さっき紡···副審やりながらジャッジミスがあったよ｣

『えっ？！そ、そんなことないと思うけど？！』

慧｢い～や、あったな。主審がちゃんと見てたから良かったけどな｣

慧太にぃが言って、二人が頷き合う。

桜｢どことは言わないけど、ちゃんと集中してジャッジしなきゃダメだよ？｣

『···分かった、ごめんなさい』

完全に集中し切れていたとは言い切れない所もあったから、そこは私が悪い。

どんな時でも、例えそれが自チームでも、ジャッジを引き受けたなら心を無にして徹しなきゃだから。

繋｢あんまり紡を責めてやんなって、急にオレがやらせたんだから。な、お前ら？｣

｢｢ ッス！ ｣｣

繋心···いまちょっとだけ、ほんのちょっとだけ繋心がカッコよく見えるよ！

繋｢ま、アレだ。オレが買収したんだけどな｣

慧｢買収？···お前、また駄菓子に釣られたんか？ガキだなぁ～｣

繋心のアホ！前言撤回します！

なんなのホント、今日は私の秘密の暴露大会なの？！

ひとりプリプリとしながら拗ねていると、目の前に無言でニュっとスクイズボトルが突き出される。

『···月島君、何か？』

顔を上げればそれは月島君ので。

月｢ポチ、中身入れて来て｣

『あのねぇ···』

月｢マネージャーのお仕事、忘れてない？｣

『分かりました！もう！』