第16章 能力を知りました。

セリシアside


「じゃあ次・・・。」

ちょっとドキドキしながらそれを口にしようと考える。
今、顔変じゃないよね？
赤くなってないかな？

「ジャーファルさん、好きな人のタイプは？もちろん異性で、だよ！」

自分で自分の首を絞めるような行為だけど、聞きたくてしょうがなかった。
馬鹿だなぁ、とも思うのだけれどね。

「好きなタイプ、ですか・・・。」

少し思案したようだけど、すぐに目を見て答えてくれる。

「シンドリアに貢献してくれる人、かな。でも最近、もう一つあるんです。・・・よくばりですかね？」

「いいんじゃないですか？理想像ぐらいいくつあっても。みんなそうですよ。」

「セリシアさんも？」

「・・・多分。」

聞かれるとは思ってなかったけど、そう答える。
だって、そうだもん。
少なくとも、この国に来る前までは、って感じだけど。

「・・・可愛い人、です。」

「・・・可愛い人？」

それじゃ、やっぱ無理かなって思う。
だって私、可愛くなんかないもん。
シンドリアには貢献するけどさ。
・・・シンドリアと言うかジャーファルさんに、だけど。