【マギ】 ジャーファル、あなたのために。~亡国の姫~
第16章 能力を知りました。
セリシアside
思わぬ言葉に驚く。
右目を少しこすると、たしかに涙が出ていた。
いつのまに・・・??
言われるまで気付かなかった。
言われて初めて気づいた。
なんで、気づかなかった・・・?
「あの・・・何かありました??」
あった、あったよ。
たった今、何かすごいよくわからないことが。
でも、そうとも知らずにジャーファルさんは問う。
もちろん説明できることじゃない。
「いや・・・。多分、目が疲れたんだね。」
結構涙は出てる。
だから、こんなのは嘘だって多分すぐばれる。
けど、ジャーファルさんは何も訪ねてこない。
逆光になってるのかな。
そんなことを考えた。
「もう、帰るね。夜遅くにすいませんでした。」
あやまって、急いで部屋を出て、自分の部屋に向かう。
無我夢中で走る。
ああ、私って結構速いんだね。
時間もかからずに部屋についた。
自分の部屋に駆け込むように入り、ドアを閉める。
そのあとは、半分放心状態で、ベッドに潜る。