第2章 CHAPTER.0
そんなの無茶だ、と止めたい所だけど・・・ぶっちゃけ今にも倒れそうだ。私が。
何か勝算があるのだろうか・・・。
私はフラフラになりながらもセツナに肩を貸してもらって立ってユウマの様子を見る事にした。
ユウマ「さあ、掛かってこい。
そして身を以て知れ。
・・・服従すべきは、どちらなのかを──!」
スぺクタスを睨みつけながら、ユウマは「はぁぁ・・・!」と頭を抱えながらもオーラを纏った。
一瞬ふらついて苦しそうにも見えたけど、ユウマの左手にはしっかりと魔力がチャージされている。
グオォ・・・!と咆哮を上げたスぺクタスが、右腕をユウマに振りかざす。
あの一撃は、私もさっき喰らったから解るけど・・・強い。
危ない!と声をかけようとしたのも束の間で。
・・・ギュオォオッ・・・!!
スぺクタスが振るった右腕と、ユウマがチャージしていた左手がぶつかる。
すると意外や意外。
吹っ飛ばされたのはスぺクタスの方だった。
ユウマよりも大きな巨体が、5・6メートルくらい吹っ飛ばされたのだ。
・・・シュン・・・っ
そして、そのユウマの一撃が決め手となりスぺクタスはあっと言う間に消えてしまった。
・・・え。勝った・・・の?
セツナ「・・・取り敢えず、回復しよう。
俺のマナが底をついているから、メディスでの回復だが」
リョウ「うあー・・・もう回復出来るんなら、スキルでもアイテムでも良いや・・・」
シオン「・・・・・・そ、だね・・・。
・・・はは・・・とりま、疲れた・・・」
満身創痍。
その言葉が一番しっくりくる。
これ、骨何本かいったんじゃないかなあ・・・。
呆気なく倒されたスぺクタス。
そのスぺクタスを倒した青年ユウマは、私達に一度目を向けてからヨリトモって呼んでた人の元へと歩いて行った。
セツナにメディスで体力を回復してもらいながら、私は疲れと張り詰めっぱなしだった気をまとめて「はぁ〜〜っ・・・」と吐き出したのだった。