第2章 CHAPTER.0
変なぬいぐるみ「こ・・・これはS級特別招待券・・・!
失礼しましたミミっ!
どうぞ中へお進みくださいミミ!」
まるで生きてるように驚くぬいぐるみ。
てか、S級って・・・軽く出したけどS級って言うくらいなんだしひょっとしなくても凄いレア物なんじゃ・・・。
弱気な女の子「あ、あの・・・突然ごめんなさい」
シオン「・・・えっ、?」
弱気な女の子「実はこういうところに来るの初めてで・・・。
もしよかったら・・・なんですけど、一緒に入ってもらえたら嬉しいなって・・・!」
なるほど、どうやら彼女も私と同じく1人で来たようだ。
・・・いや、私はチケットを持っていないんだから同じじゃないか。
弱気な性格なのだろうか、女の子は私に「ダメ・・・ですか?」と聞いてきた。
シオン「・・・いい、の?」
弱気な女の子「はい、もちろんです!
よかったぁ・・・。
それじゃあ、よろしくお願いします」
シオン「あ・・・うん。よろしく」
心底ほっとする女の子。
思ったよりは弱気じゃないのかもしれない。
背中まである抹茶色の髪と同じく抹茶色のくりくりした瞳の女の子。
年齢は・・・私と同じくらいか少し下だろうか。
なにはともあれ、運良く入れる事となったセブンスエンカウント。
ぬいぐるみに手を振られながら私は女の子と一緒に中へと入って行った。
シオン「・・・へー、想像してたのより全然凄い」
弱気な女の子「ふわぁぁ・・・ウワサには聞いてたけど・・・すごいところ・・・」
2人とも初めての場所に少し感動。
するとワンテンポ開けて女の子がハッとする。
・・・え、どうした。
弱気な女の子「自己紹介、まだだったよね。
わたし、那雲澪(ナグモミオ)。
あなたは?」
シオン「私は・・・安澄音シオン」
ミオ「シオン、っていうんだ。
あの・・・もしよかったら一緒に──」
と、そこまで言いかけてミオは「コホッ、コホ・・・」とさっきと同じように咳をした。