第1章 ラピスラズリ
お風呂から上がると、潤が髪の毛を乾かしてくれて…
「もう準備できてるから、服着ておいで?」
そう言って寝室に送り込んでくれた。
和也と一緒に着替えてリビングに戻ると、部屋が真っ暗だった。
「え?」
部屋の電気をつけようとしたら、ぱあんって音が聞こえた。
「んがっ!?」
なんかっ…顔に当たった!?
「お誕生日おめでとー!」
ぱっと電気がついたら、リビングのローテーブルに料理がぎっしり並んでた。
「わあ…」
俺にかかった紙テープを取りながら、潤と和也がほっぺにキスしてくれた。
「さ、食べようか」
「うんっ…」
それは潤の手料理で…
前の晩から、和也と二人で仕込みしたんだって。
「ごめんね…忙しかったからまだプレゼント買えてないんだけどさ…せっかくだから智のほしいものあげたいんだ。何がいい?」
ご飯を食べながら潤が聞いてくる。
俺はワインを片手に考え込んだ。
「あっ…」
「ん?なに?」
ちらっと和也の顔を見た。
「ん?」
やばい…にやけてくる。
「ほしいもの決まった」
「なんだよ?」
怪訝な顔をした和也の耳にこしょこしょと欲しいものを告げると、和也は破顔した。
「それ、いいね!」
「でしょー!」
「なあんだよ…コソコソして…教えろよ」
「えへへ…」
潤が少し拗ねた。
俺は潤の方に身体を寄せて、寄りかかった。
「あのね…?潤…」
「なんだよ…」
「俺が欲しいものね…」
和也がぶふぉって吹き出した。
「?」
「潤…の、バージン」
「……ぱーどぅん?」
「そこは、りありぃ?じゃないの?」
「いやいやいやいや…」
「絶対に今晩頂くからね」
「むりむりむりむり…」
「私も、協力しますよ?」
俺の上に和也も乗っかってきた。
「む、無理…お前ら二人相手にしたら…切れるっ…」
「大丈夫だよお…ね?和也」
「そうだよ、俺だって大丈夫だったんだもん…」
潤は慌てて俺たちに尻を向けて逃げ出した。
俺と和也は目を合わせてにやりと笑った。
「「いっただきまーーーーす!」」
「や、やめろおおおおお!!!!」
潤の絶叫は、11月26日の夜に虚しく散っていった。
【END】