第7章 グレイ scene5
片付けを終えて、寝室に入ると潤はもう寝息を立てていた。
薬がよく効いてるんだろう。
この分なら、明日には下がってるかな?
パジャマに着替えると、そっと潤の隣に潜り込んだ。
「ん…雅紀…」
「あ、ごめん。起こした?」
「んーん…うとうとしてただけだから…」
潤の頭の下に腕を通すと、素直に潤は抱きついてきた。
「かわいい…」
「んーっ」
「だって、いつもこんな素直に抱きついてこないじゃん」
「…熱があるからいーの…」
多分…熱が出たりすると、潤の恥ずかしいってハードルがちょっと下がるみたくて…
いつもは恥ずかしがってできないことも、こういう時ならできるみたい。
「…ねえ…?」
「うん…?」
「いつも…こうやって甘えて欲しい…?」
小さな小さな声で、なんてかわいいこと聞いてくるんだ!
「そりゃ…ね。潤は俺の恋人なんだからさ。甘えてほしいよ?」
「でも…俺なんかが甘えたら、気持ち悪くない?」
「…そんなわけないだろ?潤は俺の恋人だよ?」
「雅紀…」
やっぱり、潤はどこかでずっと引っかかってる。
自分が男であるってこと…
そんなこと、どうだっていいのになあ…
「潤…」
「ん…?」
ぎゅううっと強く、抱きしめた。
「俺は…どんな潤だって、愛してるよ?」
「…雅紀…」
「潤だって、そうでしょ?」
潤んだ瞳から、一粒涙が零れ落ちた。
「たとえ俺が片腕になったって…足がなくなったって…潤は俺のこと愛してるだろ?」
「うん…」
「俺も、潤と一緒なんだよ?」
ぎゅうっと潤が俺のパジャマを掴んだ。
「まさきぃ~…」
「…泣かないの…」
ぽろぽろと大粒の涙をこぼす潤を抱きしめていたら、いつの間にか眠っていた。
「おやすみ…」
焦らなくていいよ…
ゆっくり…ゆっくり…
俺と一緒に過ごすことに慣れていってくれればいいから…
潤は潤の思うとおりに生きてくれればいいから…
「愛してるよ」
綺麗な雫が、潤のまつげから零れ落ちた
END