第7章 グレイ scene5
お医者さんから、なるべく動かさないよう言われてるから、潤はえばりくさって俺のこと使い始めた。
「和也、背中かゆい」
「はいはい」
「頭もかゆい」
「はいはい」
「股も」
「はいはい」
「ちょっ…」
「なんだよ」
「そこは、いい」
潤は顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。
「自分がかゆいって言ったんでしょうが」
遠慮せずに、潤の股をボリボリとかいてやった。
「ぬあっ…」
慌てて足を縮めると、めって顔をして俺を見る。
「ぼっきしたらどうすんだよ!」
も~…
自分で言ったくせに、わがままなんだから。
「なんかもっと恥ずかしがれよ…」
「きゃんっかずなり恥ずかしいっ」
「…もういい…」
その後も、あれやこれや言いつけられて、結局俺はゲームをすることができなかった。
殿様気分を味わえて潤はご満悦。
「も~…ほんとに暴君なんだから…」
風呂で潤の身体を洗いながらぼやいてると、にやっと笑った。
「でもそんなんとずーっと付き合ってんのは、どこの誰だよ」
「ん~…?俺ぇ…」
「だろお…?我が身の見る目のなさを呪うんだな」
風呂の椅子に座りながら、悦に入る潤。
「…見る目は、あるつもりだけど?」