第7章 グレイ scene5
「じゃあ、雅紀のこと大好きだ」
「うん。松潤もあったかいからだいすき」
「ニノは?」
「あいつ、変温動物だから、ダメ」
「ぶふっ…なんだよそれ…」
そんなくだらない話をしてたら、いつの間にか眠ってて。
目覚ましの音で目が覚めたら、まだ智くんのこと抱っこして寝てた。
身体はホカホカにあったかくなってて安心した。
「智くん?起きてる?」
「うん…」
「朝飯、食べる?」
「いらにゃい…」
寝ぼけてんなあ…
「俺、作るけど…食べる?」
「えっ…翔ちゃんが!?」
なんだか、智くんにご飯食べさせたかった。
「俺が作ったら悪い?」
「いいよ…遅くまで仕事してたんだから…」
「でも…」
「翔ちゃん、いつも頑張ってるね」
「え?」
「ほんと…翔ちゃん、頑張ってる…」
智くんはニコニコと俺の頬を手で包んだ。
「だから、俺が作ってあげる」
智くんはうちにある材料で、ちゃちゃっとホントに朝飯を作ってくれた。
「ほんとなんもないんだもん…翔ちゃんち…」
「ごめん…」
「よくこれで作るとか言ったね」
「ほんとすんませんでした…」
でも、ダイニングテーブルに並んでるのは、立派な朝食だった。
「卵あって助かったよ…」
「へい…すんません」
「さ、食べよ!」
スクランブルエッグとトースト、それに冷凍食品のおかずが何品か…
それでもとっても美味しくて。
「ごちそうさまでした!智くん」
「食材は翔ちゃんとこのだから、こっちがごちそうさまだよ」
「ふふ…頑張ってきてよかったな…」
「え?」
「だって、頑張ったからご褒美でしょ?朝食」
「翔ちゃん…」
「俺、これからもがんばろっと」
ふふっと智くんは笑った。
「じゃあ、たまに朝食作りに来てやるよ」
「えっ?」
「まあ潤みたいに上手に作れないけどさ…」
ふにゃんと笑うと、智くんは食器をキッチンにさげてくれた。
その背中…
俺よりも小さな背中だけど、とても大きい。
「ありがとう…智くん…」
あなたは、いつでも俺の原動力
「わ!遅刻する!」
「翔ちゃん!早く早く!」
一生、言うことはないと思うけど…
だいすきだよ
END