第7章 グレイ scene5
泡でもこもこになりながら雅紀は身体を洗ってる。
「やん…翔ちゃんそんなに見ないでよ。えっち!」
「お、おお…」
身体を洗い流すと、浴槽に雅紀は滑り込んできた。
「はあ~温まる!」
当然って感じで俺の足の間に入ってきて、俺に凭れかかってきた。
俺の腕は自然に雅紀を抱きしめる格好になった。
「ねえ、頭、まだ痛いよね?」
身体を捩って俺を見上げてきた。
「ん?まあな…」
「じゃあ早く上がろう!」
じゃばっと、今浸かったばかりなのに雅紀は立ち上がった。
俺の腕を引っ張り上げると、またにこっと笑いかけてきた。
どっきーん
心臓が跳ね上がった。
か…かわいい…
え?かわいい?俺、こいつのこと、かわいいって思った?
「どうしたの?翔ちゃん。顔まっか…」
「な、なんでもない」
「まさか…また倒れないよね!?」
そう言うと慌てて俺を浴室の外に引っ張っていった。
びしょびしょの身体のままくるくると動き回って俺の身体をバスタオルで拭いて、バスローブを着させられた。
「さ、これでいいよ!」
まだびしょびしょのくせに…俺のこと優先して…
「おまえ、まだびしょびしょだぞ…」
バスタオルを手に取ると、雅紀の身体を拭いた。
「いいのに…」
そう言いながらも、雅紀は凄く嬉しそうで。
魔法に掛かったみたいに俺はその笑顔に釘付けになった。
にこにこ笑うその唇に、そっとキスをする。
恥ずかしそうにうつむいた雅紀は、ぎゅっと俺のバスローブを握った。
「…もっと…」
未だに、俺は雅紀とのラブな記憶を思い出すことはできない。
「翔ちゃん!おはよお!」
でも、俺は雅紀と一緒に暮らしてる。
「今日もお仕事頑張ろうね!」
「おう!おまえもがんばってこいよ!」
「うんっ!」
毎日、毎日。
雅紀のこと好きになってく。
「…今日もかわいいなあ…」
「んもうっ…晩御飯、頑張って作っちゃう!」
この瞬間全て、輝かせる君は誰?
「お、今日は何作るの?」
「びーふすとろがのっふ!」
見るもの全て、魔法に掛ける君は誰?
「まーさき!」
「はあい!翔ちゃんっ」
君を見つけて、たどり着いたのさ
END