第7章 グレイ scene5
「肩、凝った…」
ボソリと大野さんが呟いた。
「はいっ…ただいまあっ…!」
慌ててソファの後ろに周り、大野さんの肩を掴む。
「えっ…いいよ、まちじゅん…」
言えてねえし…かわいい…
「いいからいいから、さ、リラックスしてね?」
「もう…本、読めないよお…」
膝に載せてる釣り雑誌を指しながら、声は笑ってる。
「おーちゃん、コーヒー入ったよ」
「あ、ありがとう」
雅紀がキッチンからマグカップを持って戻ってきた。
コーヒーのいい香りがリビングに漂う。
「わぁ…くまさん…」
大野さんの持っているマグカップの中には、ラテアートのくまさんがいた。
「かわいいっしょ。この目、おーちゃんにそっくりだね」
雅紀が大野さんの隣に座りながら、顔を覗き込む。
「やっ…俺、こんなにかわいくないもんっ…」
耳まで真っ赤にしながら言うと、ぷいっと横を向いた。
思わず雅紀と目があった。
か…かわいい…
「あ…そこ、気持ちいい…」
吐息とともに、どきっとするセリフが溢れだした。
また、雅紀と目が合う。
「俺も、マッサージしてあげるよ…おーちゃん」
「えっ…いいよ。だったらまちじゅんにしてあげてよ」