第5章 守るべきものは……?
あんside
そんな風に始まった
私とすばるくんの
お試し期間ともいうべき
一緒に過ごす時間は…
驚くほどに穏やかで
驚くほどに心地よくて
すばるくんの口から飛び出す
"あほ"とか"不細工"なんていう
悪口さえも
なんだか優しさに包まれていた……
そんな甘くて優しい日々も
5日が過ぎた頃
「だいぶ減ってきましたね…?」
そう冷蔵庫の中を覗きながら
呟くと…
「そうやな…
お前がよう食うからな……(笑)
そんなに一緒におる時間を
短縮したいんか…言うぐらいな(笑)?」
なんてすばるくんは
座っていたソファーから振り返り
私を見つめにんまりと笑う………(笑)
「何言ってるんですか(笑)
それ言うならすばるくんだって
お酒飲みながら"つまみ♪"とか言って
冷蔵庫からちょこちょこ出して
食べてるくせに…!」
「お前…それはあれやぞ…?
つまみも食わずに飲んだら
酔ってお前襲うかもしれんやろ…?
それでもええんか…?
もしかしてそれは
襲ってくださいのサインですか(笑)?」
いつもみたいに
気を使わず
ぽんぽんと弾む楽しい会話に…
「またまた……(笑)
すばるくんこれだけ毎日一緒にいても
私に指一本触れないじゃないですか?
すばるくんは優しいから…
見るからにぼろぼろな私を
ほっとけないだけなんですよきっと…(笑)」
なんて…
私が笑いながら言った瞬間
「それは違うぞ………?」
そんな言葉が聞こえてきて
隣に座るすばるくんに目を向けると
すごく真剣な目が私を見つめていた…
「お前がほんとに大事やからや…
お前が大事やから簡単に
手は出さへん…
たとえ毎日が理性との戦いでもな…(笑)
言うとくけど俺は毎日
理性と殴りあいの喧嘩してるんやぞ?
いっつもええとこまではいくんやけど
理性が6:4で勝ってるだけや(笑)」