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オレンジ

第4章 罪の代償


丸山side

"会いたくて…抱きしめたくて…

我慢できへん……"


そう俺が言った瞬間


強ばっていたあんの体から

すっと力が抜けて…



「またそんな…ずるい言葉を……(笑)」


なんて力なく笑う……



「ごめんな……?

あんには俺謝ってばっかりで…

ほんとはごめんなんて言いたくない…

好きやって…愛してるって

そう伝えたいのに…

なぁ…あん…?

俺………かなと別れ…………」


そう言いかけた唇に

あんは素早く唇を重ねて


「だめ……

その言葉だけは……」


なんて悲しそうに俺を見つめる……



「でも俺は…………」


そう言って肩に触れようとした瞬間

ポケットから着信音が流れてきて



「何でこんな時に………」


イライラしながら取り出したスマホには


『かな』の文字が光っている……



スマホを持ったまま動けない俺の手に

あんの手が重なって



「出てください………」



顔をあげた俺に


あんはにっこりと優しく笑った……
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