• テキストサイズ

オレンジ

第4章 罪の代償


「あん………?」


私を呼ぶ声に

ゆっくりと後ろを振り返ると


私の手をしっかりと掴む丸山さんがいて…


「あん……あのな………?」


そう言って

私に近付く丸山さんの手を振り払い



私は全速力に走り出した……



ただただひたすら走り続けて

家の近くの公園に入り

乱れた息を整えていると


私のあとを追いかけてきた丸山さんに

腕を掴まれる…



「離して…ください………」



「嫌や…離したらまた…

俺から逃げるやろ…………?」



「もう……私には無理です……

辛くて…苦しくて…仕方ないんですよ…?

丸山さんを好きになればなるほど

かなさんの顔が頭から離れなくて…

もう私には…無理なんです……」



そう言って

丸山さんに背中を向ける私を



「ごめん…………

苦しくさせて辛くさせてごめんな……?

でも俺にもどうしようもないねん…


あんに会いたくて…抱きしめたくて…

我慢できへん……」



そう辛そうに呟いて


丸山さんはふわりと

私の背中を包み込んだ………
/ 101ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp