第3章 捨てられない感情
丸山side
「お腹空いたやろ?
もうほとんど用意出来てるから
早く手洗っておいで?」
そう言って俺は
俺の腕に絡まるかなの腕を離し…
「はーい(笑)」
なんて嬉しそうに返事をして
洗面所に歩いていくかなを見送り
気まずそうに下を向くあんの手を
そっと握りしめる…
「会いたかった……」
そう小さな声で囁くと
あんはびくりと体を震わせたあと
今にも溢れ落ちそうなほど目に涙をためて
「なんで…そんなこと……?
私は必死に…
丸山さんのこと忘れようとしてるのに…」
そんな言葉を涙を溢さないように
痛いほどに唇を噛み締めて言うあんに俺は
「苦しんでんのは分かってるよ…?
それでも俺は会いたかった……」
そう言って
繋いだ手をぎゅっと強く握りしめた…