第45章 及+国/憧れ*イベント小説
私には、憧れの先輩がいる。
及川徹、女子からの人気があり
ルックスも高く、おそらく頭もいい。
私はその及川徹に憧れを抱いている。
要は、周りの女と同じ って事になる。
はっきり言ってしまえば、
私は中学生の時、バレー部の
マネージャーで及川さんとは
かなり仲がよかった…はず。
よく喋ってたし、誘われて一緒に
遊びに行ったこともしばしば…。
でも、もしかしたら及川さんに
とっては数百人、数千人の中の1人
かもしれない私を覚えてくれて
いるのだろうか…いや、
きっと覚えていない。
覚えてたら奇跡そのもの…。
と、私はネガティな思考を持ち
合わせているため、話しかけようにも
かけられず、携帯も機種変したため
及川さんのアドレスも消えて、
今や手の届かぬ存在に…。
もちろん、マネージャーはまたやりたい。
でも…こんな群衆がいる中、
マネージャーなんてやりづらくて
仕方ないじゃないか…。
私は、薄々及川さんを諦めていた。
*
「先輩…!」
「?!…ぁ、国見くん!久しぶりだね!」
いつものように体育館へ見学に行くと、
いつも早く来ているのか、国見くんが
立っていた。
「先輩…ここの高校だったんですか…?」
「うん、国見くんもここに
入ってきたんだね〜 やっぱり及川さんが
いるから?」
「まぁ…ハイ」
私の可愛い後輩くんが、こんなにも
かっこよくなっている…なんか母性本能が。←
「あの、先輩 中学の時
言い残していたこと、今言っていいですか」
「え、うん?」
真剣な眼差し、国見くんは一拍置くと、
はっきりとした声で
「好きです、付き合ってください。」
と、言った。流石に耳を疑った。
え、と呟く私に、国見くんは
お願いします、と頭を下げた。
「ずっと憧れてて、好きで でも
言えなかったんです」
そう言う国見くんは、真剣そのものだった。
このまま、叶わない夢を描くなら、
いっそ国見くんでも構わないような、
最低な事だとわかっていても、
そんな気分にさせられた。
そんな時…。
「はいストーップ!あの国見が
どんな女に告白だと思えば…
ウチの可愛いマネージャーちゃん
じゃない、青城にいたんだ?」
「及川さん…!」
私の憧れ、及川さんが颯爽と現れたのだ。