第23章 渡/ほのぼの*イベント小説※キスのみ
あれからしばらく、
練習を見に行っている、
渡くんロックオンで。
(かっこいいなぁ…)
あれから、学校内でも
話すようになって、
趣味も合う事がわかった。
「仲良くなったよねぇ
そろそろ 告白 しちゃえば?」
「えっ?!」
その日に、友達に言われて
そういう事に意識し出した。
「名前ちゃん…?」
「えっ?!」
「早く 体育館行こうよ」
「あっ…うん…」
廊下で立ち止まる私の
顔を覗き込むように、
屈む渡くんは 少し不安げな
表情をしていた。
「ごめん、なんでもないよ 行こう」
やっぱり言えない…。
渡くんは立ち上がると
「なにかあったら 言ってね?」
と、頭をぽんぽんして、先へ進む。
その優しさが、私の中の何かを
揺らし、すこし歩き出し
私はしばらくして、また立ち止まった。
「渡くん」
(やっぱり…今しかないのかもしれない)
「ん?」
「あのね…私 渡くんのこと…」
ー好きー
その言葉は渡くんの声と重なる。
「え?」
近寄ってくる渡くんの頬は、
ほんのりと赤く、真面目な顔だった。
「好き」
しっかり聞こえるその言葉に、
私はほっとしたのかなんなのか、
涙が溢れ出た。
そんな私を優しく抱きしめてくれる。
「渡…くん…っ」
「僕、名前ちゃんの事
大切にするよ」
そう言って頭を撫でてくれる。
私は渡くんの顔にそっと手を添えて
優しいキスをした。
(名前…ちゃん?!)
(渡くん、唇柔らかいね)
(っ…そんな事)
(もういっかい…)(チュ
(んんっ…!)
(はぁ…渡くん
バレー 遅刻…だね…)
(…今 幸せだから 遅刻とか
どうでもいい)(ギュッ
(岩泉さんに怒られちゃうよ?)
(いいよ、もう、とにかく
すげぇ 嬉しいんだ)
(私も、嬉しいよ)