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【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】

第1章 兵庫水軍との邂逅



「あっ」

突然に疾風は声を上げた。

「んん?どうした、疾風」
「あぁ、いやあその、大したことじゃあねえんですけど…。
実は麻言の持ってた刀の事をふと思い出しましてね」

三人の視線が集まる中、代表するように第三協栄丸が訊ねると疾風がそう返した。

「む。刀と言えば、あの鞘も変わっていたなあ。
赤と黒の陰影に模様付きとは…」
「そっ、そうそう!俺ぁ、あの模様がずっと気になってたんだよっ。
どっかで見たことはある気がすんだけど思い出せなくてよぉっ」

蜉蝣の言葉に同意をしめした疾風がそう言い出すと、
他の三人が思案するように顎に手を当てる。

「うーん、俺は近くで観てませんでしたしねぇ」

言葉の通り、由良四郎は麻言の刀を近くで見るどころか
触ってすらいない。

「…俺にはアレが…そう虫の羽のように見えたな」
「―ああっ!そうだっ!俺もそうだっ!
俺もそう思ってたんだよっ!!」
「五月蝿えぞっ、疾風っ!」

蜉蝣の言葉にそう何度も同意する疾風の声は
酒の力によって開放され音量が上がっていた。
思わず両耳を閉す蜉蝣は怒鳴り声を上げると、「なんだとっ!?」と疾風が睨みつける。

「あ~っ!ちょっとちょっと…!」

慌てて二人の間に由良四郎が制しに入るが
今にも喧嘩が勃発しそうだ。
その時。

第三協栄丸が大きく両手を打ち鳴らしたのだ。
その音に驚いた三人が注目すると

「思い出したっ!」

第三協栄丸が叫んだ。そして続けて

「―蝉の羽だ」

とそう言ったのだ。

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