【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第1章 兵庫水軍との邂逅
「何だ、どうした?」
「いあ、さっきから何となく
気になっていたんですが山立やら…船頭やら」
ああと合点が言ったように第三協栄丸が言うと
「今、俺以外に紹介した四人はな
水軍の中で『船中の四功』とも呼ばれているんだ」
「『船中の四功』…」
「━まあ、解りやすく言えば
船に乗る際に失ってはいけない存在…ってとこだな」
言葉を復唱していた麻言の横にいつの間にかいたのは義丸だった。
麻言と顔が合うとにっこり笑って
「ちなみに俺は鈎役の義丸。宜しく頼む」
「あ…はい」
かなりの色男に驚いたのか、ただ単に驚いたのか
定かではないが麻言は目を丸くしていた。
「━で、あっちにいるのは舳丸。
あいつは水連で泳ぎが上手いんだ」
義丸の指さした先の舳丸は「…宜しく」と一言だけそう言った。
「あれ?何だよ舳丸~素っ気ないな~」
「義丸の兄貴が先に紹介しちゃうからでしょう!
…あ、順番抜かしちゃったけど俺重な。
舳丸の兄貴と同じで水連なんだ」
そう言って重が笑った。
ああ、成程…それで二人は泳ぎが
上手かったんだと麻言は内心納得していた。
「…俺は東南風。水夫だ」
「水夫っつっても、東南風は優秀でなぁ。
水軍で大事な役割である『太鼓方』を務めあげる程だ…!」
ぶっきらぼうに言った東南風の言葉に
付け加える様に第三協栄丸が自慢げにそう言うと
「お頭…そりゃ、言い過ぎです」
と東南風は視線を落として呟いた━が。
「おお~っ!期待されてるんだね…!凄い…」
と麻言が尊敬の念を込めて見ていたが
「そ、そんな目で見んのやめろ…!」
とそっぽを向いてしまった。