【忍たま乱太郎】~空蝉物語~【兵庫水軍中心トリップ逆ハー】
第2章 忍術学園での邂逅【幼虫編】
「俺は、お前に嫉妬したんだ、と思う……。――かといって、今日俺がお前に向けた思いは、長年の共に対するものじゃなかった!すまない、義丸っ」
「えっ!? お、おい、鬼蜘蛛丸何でお前が謝るんだよっ! 頭下げんなっ、借りにも俺の上に立つ人間だろうが」
下げた頭を義丸に無理やり上げられると、義丸が「あ~もう」と面倒くさそうに叫んだ。
「畜生っ、どっかの誰かさんがそんな事言いやがるから、俺まで気付いちまったじゃねえか……っ!」
「えっ、どういう事だ……?」
「――俺も、あいつのことが、気になってるみたいだよっ」
「……え?」
今度は私が固まる番だった、そして正直に言ってしまった義丸はこれでもかと言うほど顔を赤くしている。
「ああ、畜生っ、何だよコレ恥ずかしすぎるっ」
「ちょっ、えっ、待て義丸いつから……?」
「気付いたらだよっ! 前麻言が山賊に襲われた前日に飯作りに来て、倒れた時俺があの時家まで連れてったんだけど、口を開けば『鬼さんに任せっぱなしで大丈夫かなあ』とか『鬼さん、鬼さん』親しく言うもんだから腹が立って……!」
そこまで義丸が叫び終わる頃には、私は全身が真っ赤になっていた。
そうか、そんな事があったのか……そうか。
すると、隣りにいた義丸がふんと鼻を鳴らした。
と、気付けば義丸が麻言の方へ近付いていく。
何を言い出すのか、一瞬ひやひやしたが、
「麻言、お前……」
「え、はいなんですか?」
「もし好きな人がいたとして……、他の女の所に言っちまうような男は嫌か?」
「好きな人……」