第28章 ねんまつねんし、再。〜第三体育館組、集合前夜〜
やきとん屋さんは、焼いてるのを見たいリエーフのリクエストでカウンターに。次々焼かれていくお肉やホルモンに高校生2人は釘付け。焼きたてのお肉が美味しいともりもり食べているのを見て、こちらも元気になった。
頼んだサイドメニューを待ちながら横の蛍を見れば、私の視線に気付いたのかこちらに視線を向ける。
『蛍、前に比べたらしっかり食べるようになったよね。ひょろひょろガリガリだったのがちょっと厚み出てきた。』
「あー、基礎体力増やすために筋トレとロードワーク増やしたんで。そしたら食べる量増えましたね。」
「俺も!試合中ばてないようにって部活の方でもロードワーク増えたし筋トレ用の機材も増えてた。」
『リエーフはいつでもいっぱい食べるからそんなに変わりなくない…?』
焼かれた串の乗った皿を受け取りながら首を傾げると、何かに気づいたようにリエーフは苦笑い。
「あー、食う量増えてるんです。部活後にコンビニ…」
言われてみれば私がマネージャーをしていた頃も部活終わりのコンビニが定番だったもんなぁ。
『量足りないならおべんとの他におにぎり追加しようか?それとも好きなもの食べたい?』
意地悪に聞いてみれば焼けたお肉を頬張りながらも寄る眉間の皺。そんなに悩むのか。
「んむむ…ん、と、1個か2個作って行ってもいいですか。朝練後に腹減っちゃうから。」
朝練後…?
え、朝ごはん食べてから学校行ってるよね。
朝食、朝練後、昼、部活後、夕飯
『5食…』
指折り数えて再び首を傾げる。
5回もご飯食べてこの体型…?
体の消化のメカニズムに疑問を持ち首を傾げるが、蛍さえも私に対して不思議そうな顔をするから、男子高校生のお腹はブラックホールなのかもしれないと再び首を傾げてしまった。
その間にも焼きとんは減っていき、いつの間にか次の串も注文されている。
今回の会計はいくらになるのだと苦笑しながら、残った串を手に取ったのだった。