• テキストサイズ

あいつはねこまのわんこ系少年 そのにっ【HQ】

第28章 ねんまつねんし、再。〜第三体育館組、集合前夜〜


おやつの後は高校生は再び宿題、私は再び明日からの準備のための下拵えに入った。のだが…好きなこと、楽しいことをしているとあっという間に時間は過ぎる。
いつから呼ばれていたのだろう。急に後ろから抱きつかれて肩を跳ねさせる。慌てて耳を塞ぐイヤホンを取れば不満顔のリエーフが唇を突き出していた。

「みーゆさん、そろそろストップ。おやつ食った後からずっと作業してたでしょ。」

ほら、と見せられたリエーフの携帯の画面には19:48の文字。焦り周りを見渡せば窓の外は真っ暗で、作業をはじめた時とは比べ物にならない暗さ。

『…ごめん。』
「俺だけだったらいいけど、今日はツッキーもいるから。で、飯作る場所あれば俺作るけど…」

そう言って覗き込むリエーフの目に映るのは、コンロに二つ鎮座する鍋と作業途中の作業台、洗い物は…ギリギリやっている。

「外行きます?それか惣菜買う?」
『んー、蛍に聞いてみてじゃない?』
「僕は別にどこでも。」

ひょこっと顔を出す蛍は何となくこうなることがわかっていたようで、早くもコートを羽織っている。
ファミレスが近所にあれば良かったけれど、少し離れた場所なだけに選択肢に入れ込むか悩む。
駅前にあるのは…

『やきとん屋さんかバーガーチェーン店、あとは焼肉?』
「もんじゃもありますね。あと定食屋さんもあったはず。」
『炭の匂いが服についてもいいやって思うならやきとんか焼肉、それが嫌ならもんじゃか定食じゃない?』

さてどれを、と私とリエーフが蛍の方を向くと悩む蛍が口を開く。

「やきとんって焼き鳥の豚…」
「そうそう。串に刺さった豚だね。バラ肉とかロースとか。あとホルモンがあったり。ねえツッキー、すごい気になってるでしょ。」

図星を指されたようでみるみる赤くなる顔が可愛い。いつの間にか部屋に消えたリエーフが黒いジップ式パーカーを蛍に渡す。

「ツッキーも気になってるかもしれないけど、俺も食べたいからやきとん決定で。これ着る?」

マフラーやコートは匂いに晒したくないだろうというリエーフの気遣いに乗ったようで、自分のコートを脱ぐとリエーフのパーカーを着る。身長が同じくらいだからかちょうど良さげな様子に私も微笑むと急ぎ部屋に戻り、財布と端末、リップなどが入ったポーチを鞄に入れると、先に玄関に向かった2人を追いかけるように部屋を出たのだった。
/ 400ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp