【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】
第5章 数千年の月日
「し、ぐれ・・・に・・・」
確かにそう考えれば全て説明がつく。
2人の神楽を見ていないのに外がもう明るいのも
体中が痛いのも
・・・誰も、家にいないのも。
「っ、片付け、行かなきゃ」
痛みで起き上がれなかった体に鞭を打ち
どうにか起き上がろうと試みる。
「失礼ながら、無理かと。
私がお相手させて戴きましたゆえ、
500年前と同じく、2日は動けないでしょう。」
起き上がりかけていた体をトン、と押されて
布団に横たえる。
「常夜、2人の時くらい、昔みたいに話して。」
常夜とは、もう何年の付き合いになるのだろうか。
と言っても出会い頭の記憶は抜け落ちているが。
・・・紫雨は、覚えているんだろうな。
昔はよく2人で悪さをして回ったもんだ、
と話すたびに常夜は言うが、私には分からない。
「彼岸こそ、話し方が随分変わったな?」
それでも神になるずっと前からの、
昔馴染みなことに変わりはない。
山の主になる前の関係が恋しくなる。
「毎日そばにノギがいるからね。
いつの間にか移っちゃったみたい。
咲夜と紅夜も同じような喋り方するけど
移ったことなかったのにね。」
そこまで言い終えて、現状を思い出す。
紫雨と入れ替わった後なのだ。
「・・・常夜、ごめん。」