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【おそ松さん】もう二度と恋しないなんて言わないで【過去編】

第4章 愛なんて知らなくて


【紅夜】



紫雨様。

俺は貴女の味方で・・・。


俺を拾ってくださったのは彼岸様じゃない。
紫雨様。
貴女なんですよ・・・。


・・・分かってる。
こんなことを言っても紫雨様は喜ばない。


100年ほど前。
紫雨様がお顔を出された最後の日。

一度だけ。
あの時のたった一度だけ。

貴女は本音を覗かせてくれた。


隙を突き咲夜と2人でどうにか止めた紫雨様は
ふふ、鈍っちゃったかなぁ
と息も絶え絶えの俺たち2人にほほ笑んだ。



倒れ込んだ紫雨様の前まで行き手を差し伸べると
それを掴もうとはせず、話し出した。


「ごめんねぇ咲夜ちゃん、紅夜ちゃん。
こーんなに壊しちゃったぁ。
片付けは2人に、任せっきりなのにね。
でも私にはこれしか方法がないのよ・・・これしか・・・」


ふふ、と笑った後、一瞬だけ覗いた表情。
それはさっき見たあの悲しそうな表情とは
比べ物にならないほど悲痛に歪んでいて。


何も言えない俺たち2人に
だからね、と何トーンか低い声で言葉を続ける。


「だからね、咲夜、紅夜。
あなたたちは絶対に私側に来てはダメ。
彼岸の味方でいなくちゃだめよ。
何があっても、何を言われても。
もちろん、私からも、ね。」
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