第3章 ~弐~FRIEND
霊術院での任務は任務といえない程毎日が楽しく充実していた
何年か経ったある夏の日―――
「今日は暑いな…」
救護室で項垂れていると、扉が開く音がして振り返る
すると顔色の悪い少年が入ってきた
「大丈夫?凄く顔色悪いけど…」
「すいません…少し気分が…」
そう言うと少年は意識を失う
私は慌てて抱き留めるとベッドへと少年を寝かした
数時間後、少年はゆっくりと目を覚ます
(あぁ俺…倒れたのか…)
「目ェ覚めた?」
「(この人が噂の…)すんません...」
「どうして謝るの?体調が悪いのは自分のせいじゃないし、これが私の仕事だし」
「(仕事ね…)もう少ししたら帰るんで」
「う、うん…?今日暑かったからね、バテちゃったかな?」
そう言うと少年の髪をクシャっと撫でる
その仕草に、少年は手を退かせた
「…やめてください」
「あっごめんね…嫌われちゃったかな?」
そう呟き私は肩をすくめ困った様に笑った
少年はその顔を見て顔を反らした
その目線の先に内輪を見つける
そういえばこんなに暑いのに自分は一つも汗を掻いていない…彼女の額を見ると汗が滲んでいた