【おそ松さん】六つ子におぼれてみる気、ない?【R18】
第6章 松野家流おもてなし
それからはわざと隠して生きてきた。
テストはわざと間違えて。
あの時どうだった?
と問われれば
よく覚えてないかな、と答えた。
だからね、今はもう私がサヴァン症候群なんて
誰も知らない。
ただこう、つらいことをいつまでも忘れられないのはツラいって話で。
そもそも私には忘れるって感覚がないから
うまく表現出来ないけど
色あせないビデオテープが脳内再生される、と言えば伝わるだろうか。
そうそう、だからテレビをなんでわざわざ録画するのか
子供のころは不思議でしょうがなかったっけ。
意識的にそれを再生することもできるけど
無意識的なときもあって、
一度流れ出したら止まらない時がある。
そうすると、さっきみたいに一時的に壊れてしまうことも
少なくないわけだ。
出来るだけ、コントロールするようにはしてるんだけど
なかなかそう上手くもいかなくて。
だから、バイト生活から抜け出せない。
職場で何度も過呼吸を起こして仕方なく離職、なんてのはしょっちゅうだから。
あぁー、また嫌なことを考えちゃったなぁ。
早く六つ子帰ってこないかなぁ。