白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第35章 咲き誇る華に蝶は優しく舞い降りる
進みたい気持ちをグッと堪え
時を戻す
少し、ほんの少しだけだから
過去に泣かないでくれと
願いながら。
あの夏、姫凪を手放した俺は
遊んでしまおうか
いっその事、姫凪を
メチャクチャにしてしまおうか
そんな事ばかり考えてた
でも、そんな事出来なくて
ただ、見守るだけの日々が続いた
綺麗に咲くと思ってた華も
その華の蜜で
傷を癒せると思ってた蝶も
昔とは全く違う
暗い色に包まれていた
しかも…
『…クロ…あの…
研磨が…元気なくて
えっと…話聞いてくれない…?』
蝶の中には
まだ俺が咲いてた