白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第33章 蝶の為に華は咲く(研磨)
そんなおれに気付きもしないで
『じゃあ…うん…
…部屋が良い、かな。
落ち着くし…』
おれのパーカーの裾を握って
見つめてくる姫凪
ホントしくった。
「りょ…」
『研磨?眉間のシワ凄いよ?』
「なんにもない。
あんまり近付くとチューするよ」
泣く姫凪に
守りたいとか助けたい気持ちが
先立って忘れてた
おれに対して無防備が過ぎる姫凪に
甘えられるとか
頼られるとか
嬉しいんだけど
それを願ったんだけど、さ。