白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第32章 華は蝶を蝶は華を想い過ぎて…
「姫凪は?食わねぇの?」
『うん、私は…そんなに
お腹減ってないし…』
本当に、狙ってるとしか思えないな
その顔も仕草も
昔のまんま
俺とお前の過去フィルムを
目の前で再生されてるみたいで
「一口食う?ほら、アーン」
俺も出演したくなる
『!?』
「はーやく。
そんなにって事は少しは減ってんだろ?
ほら。美味いぞ〜」
箸で摘んだ魚の白さを
近付けた唇が小さく開いて
箸に赤いソレが当たる
「上手。まだ食う?」
むぐむぐ動く口
膨らむ頬を指でなぞって笑うと
照れて小さく頷き
アーン、とまた口が開く