白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第32章 華は蝶を蝶は華を想い過ぎて…
「開けてー…姫凪
今、家の前。
忘れ物してさ」
俺の声に驚いた様に返事をした後
ガチャリと開く玄関
『クロ?どうしたの?
さっきリビング片付けたけど
気になるものは落ちてなかったよ?』
俺を見上げる目が
涙で縁取られてる
泣いてた?
なんで?
「木兎が泊まりに来ないと
寂しい?姫凪」
そんなに木兎が好き?
逢いたくて泣くほど
お前の中の木兎は大きいのかよ?
『え?そんな事ない…よ?』
冷静な俺なら
揺れる目から読み取れたはずだ
ウソかそうじゃないくらい。