白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第27章 太陽に止まる蝶
研磨が私を離して
クスクス笑い
「荷物取ってきて
待ってるから」
トン、と背中を押す
研磨の言葉は少し意外だった
てっきりクロはどうした?
本当にいいのか?って
聞かれると思ってたから
チラリと振り返ると
いつもと変わらぬ研磨が
携帯を弄ってる
「姫凪?置いて行くよ」
『それは嫌!』
慌てて家の中に入ると
まだ木兎の匂いが
色濃く残ってる
『だから入って来なかったのかな…』
ポツリと呟いて
木兎が作ってくれた
お弁当をカバンに入れて
再び家を出た