白昼夢第3幕【華と舞う蝶】黒尾×孤爪×木兎×赤葦[®18]
第27章 太陽に止まる蝶
『クロ…』
小さく発し
虚しく消えて続かない言葉
『居るわけないじゃない…』
少しだけ
本当にほんの少しだけ期待してた
あのトサカ頭が
懐かしい笑顔で
門扉に凭れてるあの姿を
ー姫凪遅くないですかァ?ー
ニヤニヤ笑いながら
待ってる姿を
期待してた。
ドアノブに掛かった
紙袋を手に取ると甘い匂い
クロの親戚の所のイチゴ…
昔は一緒に摘みに行ったっけ…
元々冷えてたのか
入れ物の周りが濡れてる
やっぱり待っててくれたの?