第25章 蝶を抱く華

土曜日

音駒に出向く俺達
梟谷高校。

「おい、木兎ー！
お前と赤葦のお気に入りの
姫凪ってどれよ？」

音駒の体育館に入るなり
大声で木葉が叫ぶ

集中する視線が痛過ぎる。

「姫凪は居ない！！
見に来ねぇの！
つーか逢うな！穢れる！」

わざと戯けて見せるけど
体育館の端の女子が
ヒソヒソしてるのが分かる

やっべぇ？
姫凪イジメられんじゃねぇ？

「おい！姫凪は
俺とも赤葦とも何でもねぇからな！」