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花言葉を君に 【ONE PIECE】 現パロ

第8章 CHAMOMILE




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コツコツと大理石の床を足早に歩く。
外来診察が終わりシーンと静まりかえった院内窓口。

入院患者棟に行けるエレベーターを目指し、私は2階への階段を登っていた。
1階からも行けるが、ちょっと遠回りになるため時間が惜しい。
手術は終わっているはずの時間なのだ。

手には、綺麗にラッピングしてもらったカミツレのミニブーケ。
そこにはお願いして付けてもらった白い毛並みがふわふわとしたクマのぬいぐるみが顔を出していた。


「おい・・・」

『・・えっ?』


突然、後ろから声が聞こえた。
思ってもいない呼び掛けに振り返ろうとバランスを崩す。
腰から広がるスウィープトレーンに足を取られたのだ。

あっ、やばい!
と、感じた時には遅かった。

身体に感じる、宙に浮く浮遊感。
その次に訪れるだろうと予測していた痛み。

『・・・・あれ?』

感じたのは、痛みではなく温かさ。
そして、甘くパウダリーな匂いと微かに香る消毒液の匂い。

「・・・あれじゃねぇ!
怪我したいのか!お前はッ!!」

『・・・ロー、先生?』

私を抱きとめたのは、モーダの執刀医ロー。
焦ったその表情が間近に見えた。

「そんな高いヒールで階段登るからだ!
注意しようとした瞬間に落ちるか普通?!
っうか、短えスカートのクセにその裾踏むとかありえねぇだろ!!」

『ご、ごめんなさい』

短く舌打ちしたローは、私を抱え直し階段を登る。

『えっ?だ、大丈夫です!降ろして下さいっっ!!』

「また、落ちられても迷惑だ。
その花落とすなよ、約束の花なんだろ」

私を軽々抱き上げたまま、ローは足早に階段を登った。
俗に言う、お姫様抱っこ。
慣れない格好に私は、恥ずかしさのあまり顔が赤くなる。





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