第19章 LOTUS
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「それでお兄様もロー先生もから手を引いたって事?
あの意気地無し共ッ!!!」
あれから3日たった。
お見舞いに訪れたハンコックに私は相談したのだ。
『・・私、最悪だよ』
「あら?どうして?」
『・・・・だって、寂しいと思ってるの』
迷いに迷って終いには答えを出さないでいるのに、離れるとわかった途端寂しいと心が訴えている。
「・・それって、好きだと言う事じゃなくて?」
『多分、誰が言っても私は寂しいと思うんだよ』
自己嫌悪だ。
他人から見たら酷い女。
そんな自分が嫌で嫌で堪らない。
それなのに解決の糸口が見つからない。
誰か1人なんて決めれない。
みんなそれぞれ魅力的で私には勿体無い様な人達ばかり。
だからだろうか・・
自分に自信が持てない、自分自身には何も無い私を想ってくれている、その事自体にも自信を持てないのかもしれない。
そして、もっと特別な好きを実感するのが怖いのかもしれない。
「そなたは、皆を嫌いではないのだろう?」
『うん、好きよ。
だけど、特別好きってのがよくわからない』
「だったら話が早い。
とりあえず付き合ってみればいいだろう」
『・・えっ?』
その後、口にしたハンコックの話に私は耳を疑った。
そんな事で決めてもいいのか?と。
「それで怒る様な人間ならこっちから願い下げじゃ。
それでも構わん、好きにさせてみると言う男がわらわは良いと思うが?」
どうじゃ?と尋ねるハンコックに、私は頷き返した。
一理あるかもしれない。
このまま燻った状態よりは、前に進める。
私は、ハンコックの考えに乗ることにした。
「じゃ、早速実行するんじゃ。
事を起こすのは早い方がいい」
『えっ?今!?
待って、すると決めたけど結果を受け止める心の準備が・・・』
ハンコックに後押しされるまま、私は実行したのだった。