第22章 圧される
「清志かな?」とお兄ちゃんが立ち上がって、玄関へ向かった。
「今日はどうしたの?」
裕ちゃんに聞く。
「航から聞いてねーの?仲良く二人で旅行に行ったから一晩世話になるわ」
そう言って、
「飯よろしく」なんて、ニカリと笑う。
その笑顔は、私が好きだった向日葵みたいな笑顔の清志くんにそっくりだった。
さすが兄弟。
でも、私が迷惑をかけすぎたから、今はそんな風に清志くんは笑ってくれない…。
ズンっと重たい何かがのし掛かるような気がした。
「別に一晩ぐらい、どうってことねぇけど、明日は休みだろ?俺ら練習無いし、久しぶりに航とバスケしたくなって来た」
「そうなんだね」
私が笑うと、ぐいっと顔が近づく。
「あとよ…」
少し控え目な声で話し出した裕ちゃん。
「俺も彼女出来た…」
心なしか顔が赤い。
「良かったね」と言えば
「お互いな」と私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
それと同時にガシャッとリビングのドアが開いた。