第2章 サクラ散る頃
真っ赤になった夢主(妹)ちゃんともっと話していたかったけど、パンを買いに行かないと売り切れちゃうから、またね、と告げて購買部へ行く。
購買部は混んでいて時間かかってしまったから、教室まで戻るのはめんどくさい。
どこで食べようかな。
屋上は夢主(姉)ちゃんが陣取ってるし。
夢主(姉)ちゃんだけならいいけど、一君もいるだろうから行きづらい。
屋上は夢主(姉)ちゃんだけのものじゃないんだけど。迷惑だなぁまったく。
教室に戻ろう…
「斎藤先輩ありがとうございます。」
ん?
一君と千鶴ちゃんがノートを拾ってる。そしてノートを一君が抱えて一緒に歩きだした…
ってことは…
一君…屋上に行かなくていいの?夢主(姉)ちゃん待ってるんじゃない?
それとももう行ってきたのかな…
……行ってないに一票。
僕は屋上に向かうことにした。
別になぐさめに行くわけじゃない。
今頃屋上中に重苦しい空気を放っているんだろうなって思ったら、その姿が浮かんで思わず笑いそうになった。
ああ僕って性格悪いよね。
そんな夢主(姉)ちゃんを笑い飛ばしてやろう、そう思いながら屋上に向かった。