第2章 サクラ散る頃
ご飯を食べて、お風呂に入って…
何をしてても頭の中は斎藤先輩でいっぱい。
ドキドキしたり、もやもやしたり、落ち着かない。
落ち着け落ち着けって牛乳たっぷりのミルクティーを飲む。
LINEが来た。
夢主(妹)ちゃんからだ。
沖田先輩との帰り道は緊張してドキドキしたって書いてある…
添えられたスタンプの画像に、ふふっと笑みがもれる。
私も斎藤先輩との帰り道はドキドキしたよ。平助君は先に帰っちゃうし…
斎藤先輩は私を気づかってくれたのか、沢山話かけてきてくれた。
薫の話題の時の悪戯に笑いながら話す斎藤先輩は、こんな風に話したりするんだなぁって、さらにドキドキしたりして…
歩く速さも、私にあわせてくれたのかな?
なんだかいつもの帰り道と違って、すぐ家についちゃったけど。
先輩と歩いてるとドキドキはするけど、とっても穏やかな空気に包まれてる感じに思えた。
思い出して顔が緩む。
私きっと、今ものすごくニヤニヤしてると思う…
ふと、お昼休みに見てしまった、斎藤先輩のキスシーンを思い出した。
あの後、あんなに胸が苦しくなったはずなのに、今はそれすらドキドキする材料にしかならない。
やっぱり私は重症だ。
斎藤先輩には彼女がいるのに。
私は斎藤先輩が好きなんだ。
いい・・・かな?好きでいるだけなら。
そう思って、もうひとつ思い出す。
斎藤先輩の彼女さんは、夢主(妹)ちゃんのお姉さんだった…