第2章 サクラ散る頃
煙草を吸いに行く、と、一人店の外に出る。
火をつけて、ゆっくり吸い込んで、煙をふぅっとはけば、
あの時のあいつの「大好きな彼氏がいるんです」と言った幸せそうな顔が浮かんだ。
なぁ…
夢主(姉)…
お前の恋は終わりそうなのか?
今日の涙は俺にも痛かった。
いつか…お前のその幸せそうな笑顔を俺のもんにしたい…
なんて…
同世代なら迷わず攻撃に出てたんだがな…
教師と生徒の壁は厚い。
でも…
俺は本気だぜ?
随分と短くなるまで吸った煙草を置いてある吸い殻にねじこんで、新八のいる席へ戻った。